Shorinji Kempo

少林寺拳法

その1

少林寺拳法の目線について

八方目(はっぽうもく)を常に心がける。
・目を動かさないで八方を見るように訓練する。これは、上段に攻撃が来た時に上段だけに目が行ってしまうと、下段の蹴りが見えなかったり、相手に対する攻撃のヤマをはられるのを防ぐ為である。ポイントとなる部分は外さないようにしながら、広い視野で相手に対峙する。
・これは組手に限らず、単演でも同じ。相手がいることを常に想定しながらやらなければ技をする意味がない。
・八方目を練習では常に心がけ、時には練習相手が八方目を忘れている場合は注意し合うといいとお互いが高まることができる。
・ただ単に少林寺拳法をしている時だけでなく、八方目は「広くものを見る」という意味で実生活にも活かしていくべきである。

その2

少林寺拳法の構えの重心

拇指球(ぼしきゅう)に心がける
・少林寺拳法に限らず全ての武道では安定性があり、力が出しやすく、素早く動ける構えの重心が求められる。押されても倒れない、そのためには足の拇指球が重要な役割を果たす。
・拇指球とは、足の親指の付け根のところにある丸く膨らんだ部分である。ここに体重をかける。拇指球に体重が乗ると、足の指が地にぴったりと吸い付き足が安定する。さらに膝が自由に動けるようになる。これにより腰の位置も状況に応じて素早く変えることが可能になる。相手が攻撃してきた時も素早く防御でき、かつ貯めた力を一気に攻撃のパワーに変換させることも可能になる。
・移動や転身の練習では、自分の足音が聞こえないようにやることに心がける。音が出なければ拇指球が使われ足の指がしっかりと床に吸い付いている証拠となる。ドタドタ音が出ているようでは拇指球が使われていない可能性が高い。
・拇指球荷重を鍛えるには、まずは日常生活の中で意識して歩くことである。靴の中で拇指球を常に意識し歩いたり、立ったりする。そうすることで裸足になった時に、ぴたっと足が床に吸い付く感覚を得ることができる。自分は登山が趣味で毎年百名山を複数登っている。登山でこの拇指球を意識するととても楽に登れる。拇指球荷重は全ての運動に当てはまるかもしれない。

平澤 林太郎 (文責)

中拳士三段

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